基礎講座

足回りを変更しようと思ったら是非ちょっとだけ勉強してみて下さい
一度変えたらそうそう変えない部品ですから納得してから購入して下さい

現在ビガー用として売られている足回りは非常に少ないです
ところがアコードワゴン(車両形式CE1、1994年式)は
同じダブルウィッシュボーンで足回りの形状も同じなので
ショックもバネも問題無く流用できるのです(長さとレートは若干違います)
CE1用はありがたい事に非常に多く流通しています

先ずは良く使う用語勉強から始めましょう

ショックはショックアブソーバーとかダンパーと言って
足回りの一番中心でタイヤと車体を支える部分を言います
筒はシェルケースとも言いこの中にはオイルが詰まっていて
車を支えると同時にバネが弾むのを吸収する大切な役目もしています
ショックには純正と同じ長さのものと純正より短いものとがあり
短いものをショートストロークダンパーと言います
短い利点は車高を下げた時にも車体とシェルケースの一番上との隙間があり
大きな段差で車体が沈んだ時に車体がシェルケースにあたり(底突き)にくくなります

バネはサスペンションとかサスとも言われますが単純にスプリングです
路面からの衝撃をこのバネが吸収してくれます
バネの硬さをバネレート(スプリングレート)と言う数値で表します(単位はkg/mm)
バネレート10kg/mmとは10kgの荷重で1mm縮むと言う事で
5kg/mmは5kgで1mmですから数値が低いほどソフト(柔らかい)と言う事になります

ダウンサスとは長さ(自由長と言います)の短いバネの事を言います
バネが短いと車重がかかった時に車体が下がります(ダウンします)
それでダウンサスと言います

車高調とは車高調整式ショックアブソーバーの事を言います
バネの下の台座(スプリングシート)を上下する事で車高を変えます
メーカーによってバネがセットのものやバネが選べるものやバネがオプションだったりします
車高調のシェルケースもノーマルと同じ長さのものや短いものもあります
バネの長さやレートもメーカーによって違います

簡単に書いてもこれだけあります
一概に足回りを変えたいと言っても組み合わが非常に多く
自分にあった乗り心地を探すのは大変な事なんです

それでは図を見ながら構造を勉強しましょう

これが純正ダンパーです

スプリングシートはもちろん固定です

ブレーキホースブラケットはフロントだけにある
ブレーキホースの固定金具です
 
交換する時は必ず取っておいて下さい(部品販売していません)
交換するショックにブラケットが付いて来ないものがあります

これが車高調です

スプリングシートはもちろん可変です
この車高調はネジでスプリングシートを上下出来ますので
数mmの調整も可能です

アッパーマウントとは車体とダンパーを繋げる部分です
実はアッパーマウントと言う部品はなく
ベースユニットやいくつものラバーを組み合わせて出来ています
純正アッパーマウント流用と言う言葉がありますが
実際にはアッパー部分の全てを流用する場合と
一部を流用する場合とがありますので注文時お気を付け下さい
流用以外にピロアッパーや強化ブッシュと言う
アッパーマウントが付属しているものもあります

@は車高調と純正アッパーマウントを組み立てた状態です
Aはスプリングシートを上げた状態です
 この上下位置で車高が決まります
 シートを上げていくと車高は上がりますがバネに負荷(テンションとかプリロードと言います)がかかり
 バネレートが高く(硬く)なります
Bは仮に車体が乗った状態と思って下さい
 車重がかかるとショックとサスがつぶれます
 アッパーマウントとC(シェルケースの一番上)までの隙間も狭くなります
 車体が弾んだ時にここが狭いとお互いにぶつかり易くなります
 すごい衝撃になりますので和らげる為にこの間にバンプラバーと言うゴムが入っています
 ショックによってはバンプラバーもノーマル流用がありますのでお気を付け下さい

  

ノーマルショックはシェルケースが長いので
Cの位置が高いのでダウンサスを入れた時に底突きが多くなるのがお分かりいただけたでしょう
車高調で車高を下げ過ぎても同じ事が言えます

Cリング式ショックアブソーバー

シェルケースに溝が数カ所あって
車高を1cm単位でしか変更できないものや
スプリングシートにもネジがあって
調整出来るものもあります
エアーを利用していつでも自由に変更できるものもあります

純正のアッパーマウントをばらすとこうなります

ラバー部分は劣化していますので
新品に是非交換して下さい

ラバーフロントスプリングシート51686SM4004 800円*2個
ラバーリヤースプリングシート52686SM4004 800円*2個
ラバーフロントダンパーマウンティング51631SB0003 360円*4個
ラバーリヤーダンパーマウンティング52725SB2013 360円*4個

 
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これでショックとサスの構造も少しお分かりいただけましたね

それではご自分にあったものを考えてみましょう

1.車高を余り下げたくなくてノーマルの乗り心地を求める方
 これが一番難しいです
 ノーマルショックに少しだけ下がるサスを組み合わせると実現できますが
 足回りを考えている方はショックが経たってしまっている場合が多いですよね
 そうなるとサスだけ交換してと言うのは現実的では無いように思います
 では、ショックとサスを交換しましょう
 ショックはKYB、GABなどからノーマルと同じ長さのショックが発売されています
 ショートストロークダンパーはKYBとTANABEが発売しています
 底突きを避ける為にはやはりショートストロークダンパーが良いでしょう
 サスはkg/mm、RS-Rなどから車高が余り下がらないサスが発売されています
 後はどう組むかですね・・・ここが一番難しいところで残念ながら答えが出ません

2.車高を下げてノーマルの乗り心地を求める方
 単純に1.の組み合わせでローダウンサスにすれば良いように思いますが
 この組み合わせですと乗り心地を求められなくなってしまいます
 ここで登場するのが車高調と言う訳です
 車高調と言ってもメーカーによって仕様が様々ですから
 どこの車高調がどうとは言い難いですがポイントを言いますと
 バネレートが低い車高調は車高を上げても乗り心地が良く、車高を落とす事も出来ます
 と言う事は車高を余り下げたくない方にも向くと言う事になります
 車高短=乗り心地が悪いと言うのは昔の話で今はメーカーも乗り心地をちゃんと考えています
 車高調の場合はショックとサスのセットが多いですからバランスの良い乗り心地を体感できるでしょう

3.車高をものすごく下げてノーマルの乗り心地を求める方
 ショートストロークダンパーとスーパーダウンサスですね
 但し車検をどうするかが最大の難問ですね(最低地上高9cm)
 それを考えると車高調になります
 しかし実際に落ちないと言う事を良く聞きます(要因は色々あると思います)
 そんな時はサスの交換をお奨めします
 ソフトサス(レートが低い)に入れ替えるかショートサス(今のサスより自由長の短いサス)に交換しましょう
 乗り心地を求めるのでしたら同じ自由長のソフトサスがお奨めです

他にも硬くてしっかりした足回りが良いとか色々考えられますね
色々な組み合わせが考えられますので頑張ってみて下さい